こどもの歯相談室


こどもの歯相談室・その他
  
  ◆変わった歯(癒合歯・円錐歯・過剰歯)

Q 検診で「癒合歯(ゆごうし)」と言われました
A 適切な手入れをしながら様子を見ます

幼児期の前歯には2本の歯がくっついて1本の歯のようになってしまった、癒合歯とよばれる歯がみられることがあります。上あごよりも下あごに多く見られ、しかも前歯によく現れます。歯ができるときのちょっとしたトラブルによる形態の異常です。左下の画像は下の前歯2本が癒合歯です。

癒合歯

2本が合わさっているつなぎ目が溝になっていることが多く、その部分がむし歯になりやすいのでよく磨くことが必要です。基本的に治療の必要はないのですが、溝が深い場合は予防のため溝を埋める処置が望ましいこともありますのでご相談下さい。

乳歯の癒合歯の下に、永久歯が2本ある場合と1本しかない場合があります。1本しかない場合は歯の数が合わなくなり、歯並びが崩れる原因となります。4~5歳以降にレントゲンを撮れば癒合歯の下の永久歯の数や形態がわかりますので、永久歯に生え替わる頃に受診して下さい。癒合歯の場合、下から永久歯が生えてくるとき、癒合歯の根っこがうまく溶けずに残ってしまい、永久歯が生えるのを邪魔することがあります。状態によっては生え替わり時期に癒合歯を抜歯することになります。

■ 円錐歯(えんすいし)
  よく見られるのは上の前歯で、真ん中から数えて2番目の歯です。角がなくて円柱状の歯になることがあります。奇形の歯ですがそれだけでは心配ありません。

■ 過剰歯(かじょうし)
過剰歯  正常な乳歯は上下10本ずつ、永久歯は親知らずを除くと上下14本ずつありますが、時にそれ以上の歯があることがあります。ほとんどが上の前歯の骨の中にあります。これは余分な歯ということで「過剰歯」と呼ばれ、左画像のように正常な歯と同じように生えてきたり(順生・じゅんせい)、逆向きのために(逆生・ぎゃくせい)骨の中にとどまったまま生えてこなかったりします。

  生えてきた場合はほとんどの場合抜歯となります。生えてこない場合でも存在する位置の関係で乳歯から永久歯へのスムーズな生え替わりに影響を及ぼしたり、過剰歯のまわりの骨を溶かしてうみの袋を作ることがあるため、事前に取ってしまう方が安心です。過剰歯のある位置やお子さんの年齢など、状況を判断しながら適切な対応が必要になります。

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  ◆学校歯科健診結果票の見かた

  小学校~高等学校までの12年間、年1回は必ず実施されます

学校保健法では、年1回以上の歯科健診が義務づけられています。多くは学年の上がる春に実施され、健診後のお知らせ(治療勧告書)として保護者の方のお手元に書類が届きます。
  学校健診では次のようなことをチェックしています。

  • すでに処置されている歯の数と種類
  • すでに喪失した歯と種類
  • まだ処置されていない虫歯の数と歯の種類
  • 噛み合わせの異常の有無
  • 顎関節の異常の有無
  • 歯肉炎の有無と清掃状態

  健診結果票を解説すると

検診結果票サンプル


  上のサンプルの1~5に丸がついていると受診が必要で、6~9に関しては自宅で観察を、というレベルになっていますが、自宅観察ではなくできれば受診した方が良いケースもありますので以下に解説します。

■ 1.むし歯
  「自然には治りません。そのままにしておくと進行してしまいます。」

  ここで言う「むし歯」はC1~C4ランクの治療が必要なものです。

   ■ 2.要注意乳歯
  「永久歯に影響を与える乳歯です」

  永久歯に影響を与える乳歯とは、生え替わりのタイミングが来ているのにまだ
残っている乳歯などを指します。多くの場合が抜歯対象ですので受診が必要です。

  ■ 3.咬み合わせ・歯並び
  「咬む力・発音・表情などに影響を与えます」

  咬み合わせの不正については多くのパターンがあり、単純に歯並びだけの問題ではなく骨格的な問題を抱えていることもあります。ここに書かれている以外でも
以下のような専門用語で記載されている場合もあります。

叢生(乱ぐい歯) 「叢生(そうせい)」
  歯並びがでこぼこ、乱ぐい歯
開咬 「開咬(かいこう)」
  上下の前歯が閉じず、前歯で食物を噛み切れない
反対咬合(受け口) 「反対咬合(はんたいこうごう)」
  下あごが上あごより前に出ている・受け口
上顎前突(出っ歯) 「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」
  上あごが前に出ている、出っ歯
正中離開 「正中離開(せいちゅうりかい)」
  前歯の2本の間に隙間がある

咬み合わせについてこれまで歯科医と相談されたことがない方は1度受診し、治療のタイミングを逃さないようにして下さい。

  ■ 4.歯垢の付着あり
  「むし歯・歯槽膿漏の原因になるので治療しましょう」

  ブラッシングが行き届かないために口腔内の衛生が保たれていない状態です。受診し、清掃とブラッシング指導を受けて下さい。

   ■ 5.歯周疾患
  「そのままにしておくと歯槽膿漏に移行します。」

  ブラッシングが行き届かないために歯の周りの歯肉が炎症を起こしている状態、歯周病の初期です。ここでプラークコントロールをしっかり行えば回復しますが、歯周病が進行してあごの骨が溶けると、完全な回復は難しくなります。受診して処置とブラッシング指導を受けて下さい。

   ■ 6.要観察歯
  「むし歯になりそうな歯があるのでご家庭での観察をお願いします。」

  要観察歯(Co シー・オー)とは学校健診の新しい考え方として加えられたもので、削らずに観察を続けて保健指導と予防で守ろうという初期のむし歯です。家庭での観察を、とありますが当クリニックではむしろ受診していただき、進行止めなどの薬物塗布を行った上で経過観察することをお勧めしています。何もせずただ観察だけしていると確実に虫歯が進行してしまいます。

   ■ 7.「咬み合わせ・歯並びに注意が必要です。ご家庭での観察を...」
  乳歯と永久歯が入り交じる混合歯列期では、スムーズな生え替わりのために口腔内全体の様子を観察する必要があります。「乳歯が邪魔をして永久歯が横から生えてきた!」とならないよう、ご家庭でも観察が必要です。ご心配がある場合は受診下さい。

   ■ 8.「歯垢が付着しています。歯磨きをていねいにしましょう。」
  全般的にブラッシングはできているものの、歯ブラシが届きにくい奥歯や、歯と歯の間などに磨き残しがあることがあります。時折「プラークチェッカー(歯垢染色液)」を利用して、自分が磨き残ししやすい場所を理解することと、染色された部分を徹底的に磨くとよいでしょう。

   ■ 9.「歯肉に軽度の歯周疾患が認められます。ブラッシングを...」
  ブラッシングが行き届かないために口腔内の衛生が保たれていない状態、上記5番のさらに前段階です。この段階では、きちんとブラッシングをすればするほど短期間で歯肉が引き締まってきますので、楽しむつもりでブラッシングして下さい。

  健診結果と診察結果の相違

健診結果票を受け取って歯科クリニックを受診したのに、虫歯の本数が多かったり少なかったり、健診結果と違う判断がなされて戸惑った、というご経験がある保護者の方もいらっしゃると思います。
  学校での「健診」は健康診断が目的で、学校生活を送る上で支障がないのか・治療を要するものなのかをふるい分けるためのもので、スクリーニング調査といいます。歯科クリニックでの「検診」は病気の診断のために行う詳しい検査で、学校健診の目的とは異なるため、判断基準の差が結果の相違に結びつくのです。
  また、学校健診では照明が暗く、歯面の乾燥もできないなど診察条件が歯科クリニックのように良くありません。特に「要観察歯(Co)」などは歯面が唾液でぬれた状態で診断するのはとても難しいものです。
  学校健診でチェックを受け、歯科クリニックでより正確な診察を受けるという体制であることをご理解いただければと思いますが、診断についてご不明な点がございましたらどうぞ歯科医にお尋ね下さい。当クリニックでは患者さんに納得いただけるまでの説明を行っております。

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  ◆治療をいやがります

Q 診療室で口を開けません。泣いて大騒ぎになります。(2歳児)
A いやがるのはあたりまえです。少しずつ慣らしていきましょう。

乳幼児のお子さんの場合、言われるままにお口を開けてあっさり治療が済んでしまうケースあり、治療のいすに座ったものの頑としてお口を開けないケースあり、恐怖が先立って火がついたように泣いて大騒ぎになるケースあり、と様々です。
  治療が怖くて泣くのではなく、おうちの人から離されたことや、初めて見る歯科医やスタッフに慣れずに泣いていたり、単純に眠くて機嫌が悪いときもあります。
  お口を開けなかったり、泣いて大騒ぎになると本人よりむしろ保護者のかたが「どうにかして口を開けさせなければ!」と焦ってしまうものですが、当クリニックでは、泣くお子さんに対しては少しずつ慣れさせる方法で必ず上手に治療が受けられるように工夫しています。なのでまずは私共にお任せ下さい。
  過去、たくさんのお子さんが診療室で大騒ぎしましたが、みなさん最終的には一人で診察室に入ってこられるくらいに成長します。

  むし歯が軽ければ、もう少し聞き分けの良くなる年齢まで治療をせずに時間を稼いでもたせる方法もあります。ある種のセメントを詰めたり、薬を塗ったりする処置です。場合に応じて保護者の方と相談しながら治療を進めていきますのでご安心下さい。

■ 保護者の方へお願い
  診療室で泣いた後はおうちの方のフォローも大切です。診療後は抱きしめて、頑張ったことをほめてあげて下さい。

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