予防歯科

お口の状態で「認知症リスク」が変わる!

今月は「認知症と歯周病」についてのお話しです。
認知症の主な原因は「加齢」ですが、
一見関係のなさそうな「歯周病が原因となりうる」ことをご存じですか?

■歯周病が認知症リスクを高める?!

認知症の半数を占めるのは「アルツハイマー型」と呼ばれる認知症です。
そしてその原因となるのが「アミロイドβ」と呼ばれるタンパク質です。
マウスによる実験では、歯周病に侵されていると
脳のアミロイドβが10倍も増えてしまう
ということがわかっています。


■「歯の本数」も認知症に影響が!

また「歯を失う」ことでもリスクが高まります
歯の本数が少ない状態で食事をすることで、噛む回数が減り、
脳に刺激がいかなくなることが原因です。
これによって認知症リスクが1.28倍高まるそうです。
つまり「しっかり噛むこと」は、おいしい食事を楽しむだけでなく、
認知症を予防する効果も期待できるのです。
ちなみに「すでに歯が少ない」という方も諦める必要はありません。
入れ歯などを使ってしっかり噛めるようにすることで、
認知症の予防や改善に繋がったという報告もあります。
もし歯を失っても放置せず、
しっかりと治療を受けてください。

■歯周病は「メインテナンス」が重要

歯周病とは、歯を支える骨を溶かし、いずれ歯が抜けてしまう病気です。
歯周病を放置すれば
・アミロイドβの増加による認知症リスク
・歯の喪失による認知症リスク
この両方のリスクが高まることになります。
また歯周病は「脳出血」「心臓病」「糖尿病」などの全身疾患にも関わるため、
健康で長生きするためには「歯周病の治療と予防」が欠かせません。
単なる「歯ぐきの腫れ」と侮らずに、
定期的にメインテナンスをして健康寿命を延ばしましょう。

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