子供の歯である「乳歯」と大人の歯である「永久歯」は何が違うのか、
またその役割についてのお話しです。
■乳歯の厚みは永久歯の半分
乳歯と永久歯の違いは歯の「質」と「厚み」。
乳歯は永久歯よりやわらかいため、比較的むし歯になりやすいと言えます。
さらに、歯の表面を覆っているエナメル質や
その内側にある象牙質と呼ばれる層が、
乳歯は永久歯の半分程度の厚みしかありません。
そのため、むし歯になってしまうとすぐに神経に達してしまうので注意が必要です。
■どうやって永久歯は生えてくるの?
歯は「歯胚(しはい)」というタネから形成されていきます。
なんと永久歯の歯胚が作られるのは生まれる前!
胎生3ヶ月半ごろのことです。
やがて歯胚が成長し、根までできた頃に
「そろそろ生えるぞ」という信号を乳歯に出します。
すると乳歯の根が溶け出し、グラグラし始めて抜け落ち、
永久歯へと生え替わります。
■抜け替わる乳歯の大切な役割
このように成長と共に抜け落ちて、永久歯とバトンタッチする乳歯ですが、
乳幼児期に
「正しい発音を会得する」
「顎の成長を助け永久歯が生えるスペースを確保する」
「生えてくる永久歯の位置を正しく誘導する」
など、子供の健康的な成長にとってとても重要な役割を担っています。
時々「むし歯になっても生え替わるから」と、
治療に消極的な保護者の方がいらっしゃいますが、
むしろ乳歯の段階でむし歯に注意を払い、
お口の健やかな成長を見守ってあげてください。