自覚がなくても要注意! 骨粗しょう症と歯周病
骨がもろくなって骨折しやすくなる「骨粗しょう症」と、
お口の病気である「歯周病」。
無関係と思われがちですが実は深い関係があります。
■骨粗しょう症患者の8割が自覚なし!
骨粗しょう症になると、軽く転んだだけでも
足の骨や背骨などを骨折してしまい、
寝たきりになってしまう方も少なくはありません。
日本の推定患者数は1000万人以上おり、
約8割は自覚がないと言われています。
■重度の歯周病率は90%以上!
骨粗しょう症を発症する原因は
加齢・運動不足・生活習慣などさまざまですが、
そのひとつに「エストロゲン」というホルモンの減少があります。
このエストロゲンの減少は骨粗しょう症だけではなく
歯と歯ぐきの間などで炎症を引き起こしやすくなり、
歯周病の悪化にもつながるのです。
実は骨粗しょう症を患う人の90%以上が
「重度の歯周病にかかる」と報告されています。
さらに骨粗しょう症によって
歯を支える骨も弱くなることから、
より歯が抜けやすい状態になります。
■骨粗しょう症の薬は歯の治療に影響します
また、骨粗しょう症とお口には
お薬でも深い関係があります。
骨粗しょう症の患者さんによく使われる
「BP製剤」というお薬は、
骨が生まれ変わるスピードを遅くする働き(骨の代謝の抑制)があります。
例えば、抜歯などの処置をきっかけに細菌に感染し、
あごの骨が炎症を起こすことがありますが、
この時にBP製剤を服用していると、
骨の新陳代謝のスピードが遅くなっているため
傷が治りにくくなります。
最悪の場合、あごの骨が壊死してしまうことも。
病気の治療などでお薬を服用されている方は、
治療前に必ずご相談いただきますようお願い致します。
骨粗しょう症も歯周病も自覚症状の少ない病気です。
骨粗しょう症と診断されたら、
歯科医院で歯周病のチェックを定期的に受けるようにしましょう。