予防歯科

大人もフッ素で歯を守る

大人もフッ素で歯を守る  

2022.1.30 フッ素濃度について追記あり
フッ素配合の歯みがき粉を使う人は年々増加しています。
でも「フッ素ってどうしていいの?」「大人にも効果があるの?」「フッ素って危険じゃないの?」などなど
詳しくご存じの方は少ないかもしれませんね。
毎日使う歯みがき粉のフッ素効果についてお話しします。

フッ素ってどうしていの?

フッ素には3つの特徴的な働きがあります。
むし歯菌の出す酸によって溶け出した歯を修復する
歯の表面にあるエナメル質を強化する
むし歯菌の働きを弱めて酸を出しにくくさせる

このようなことから、歯みがき粉や洗口剤に配合され、虫歯予防に活躍しています。

大人にも効果があるの?

もちろん効果があります。
フッ素は歯みがきの時だけでなく、歯みがき後もお口の中に残り少しずつ歯に作用します。
お口の中に長くフッ素がとどまるよう、効果的な使い方を工夫しましょう。
大人も子供も同じです。

じっくり時間をかけて(3分)歯をみがく
歯みがきが終わったら歯みがき剤を吐き出して、少量の水(大さじ1杯くらい)で1回だけ口をゆすぐ
歯みがき後2時間は食事をしない

この「少量の水で1回だけゆすぐ」というのがネックです。
水の少なさ(大さじ1=15ml)に驚かれた方もいらっしゃるでしょう。
むし歯の少ない国として有名なスウェーデンでは、歯みがき後に口をゆすがないそうです!

フッ素って危険じゃないの?

虫歯予防に使うフッ素は「フッ化物」と言い、フライパンなどのコーティングに使うフッ素とは別のものです。

日本と違い海外では、水道水にフッ素が添加されている場合がありますが、これも大量に摂取しない限り
中毒になるようなことはありません。

日本で市販されている歯みがき剤は、最も高濃度のもので1450ppmの商品です。
日本では1500ppmを超える歯みがき剤は認可されていないので、ドラッグストアなどで購入する際の目安にして下さい。
1450ppmのものは6歳未満のお子さんへの使用は控えるよう注意書きがあります。

追記:2023.1.1 日本口腔衛生学会と日本小児歯科学会、日本歯科保存学会、日本老年歯科医学会は、4学会合同で「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」を発表しました。フッ化物応用に関する研究のアップデートや、市販歯磨剤におけるフッ化物濃度の変更、国際的な推奨の更新を受け、現在の日本において推奨されるフッ化物配合歯磨剤の利用方法が新たにまとめられました。主な変更点として

0〜5歳までに推奨されるフッ素濃度が、500ppmから1,000ppmに変更されました。

・6〜14歳の枠が廃止され、6歳以上であれば1,500ppmのフッ素濃度を推奨

目安としては
歯の生えたて~5歳   500ppm →1,000ppm
6歳~14歳     1000ppm →6歳~14歳の枠は廃止
15 6 歳以上   1000~1450ppm   →1,500ppm

各メーカーは年齢に合わせた歯みがき剤を発売していますので、従って選べば安心です。

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